【本日のおすすめ】 葛生千夏 / THE CITY IN THE SEA (1991)


「ファイナルファンタジー」や「アンジェリーク」といったゲームに曲提供をしていた人物、葛生千夏による1stアルバム。

ポー、テニスン、シェイクスピアの詩を打ち込みサウンドの上で歌い上げる独特の作風。
まさにゲームのような中世風ファンタジーの雰囲気が色濃いです。

少々喉を固めてのシアトリカルな発声は女性と少年の中間のそれを思わせ、かつ厳かなテクノポップ的音像は妙にソリッド。
空間の広がりはイメージできるのに、リバーブを排したデッドな響きがごつりとした印象を与え、巌窟の聖堂に佇んでいるような錯覚も。

ヨーロッパの空気を含んだニューエイジという側面から他のアーティストを索引して表現しようかな、とも思えるのですが、そのいずれとも袖振り合わぬ彼女だけのポイントに立っており(強いて挙げるなら如月小春が近いでしょうか)。

個人的には未来の音楽を耳にしている感覚も覚える、非常に興味深いアーティストです。


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