本日のオススメ!  V.A. / RAICES(ライーセス)

空前のキューバ音楽ブームを巻き起こした音楽映画「ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ」、映画本編もサントラも大絶賛ムードで迎えられていましたが、一方で「トラディショナルなキューバ音楽の実像を正しく伝えていない」(筆者要約)という批判も一部でありました。

この指摘はごもっともで、映画本編でも触れられているのですが、元々この企画は「西アフリカの演奏家達とキューバの”現役の”演奏家達によるコラボレーション」が当初の企画でした。ところが西アフリカの演奏家達が渡航直前にパスポートを紛失して渡航出来ないというウソみたいなトラブルが発生、打開策として企図されたのが「ブエナ・ビスタ~」というわけです。

急ごしらえな企画だったせいか選曲に偏りがある(グアヒーラ、ボレーロが多めで人気の高い楽曲形式「ソン」が少ない)、当初の企画の名残と思われるライ・クーダーの息子が何故かタブラ(北インドの楽器)を演奏しているなど、筋金入りのキューバ音楽ファンからするとあのサントラは非常に違和感を抱いてしまう出来だったようです。

前置きが長くなってしまいましたが今回紹介するアルバムはそんな「ブエナ・ビスタ~」で取り上げられた楽曲のオリジナル録音を収録したコンピ盤。
当時のブームにガッツリ乗っかった企画盤といえばそれまでですが、「ブエナ・ビスタ~」のメンバーによる録音も多数収録した本来のオリジナル・スタイルによる演奏が聴ける本作、キューバ音楽の魅力、奥深さを窺い知るには充分すぎる内容で、キューバ音楽入門盤として非常にオススメしたい一枚です。
個人的には「ブエナ・ビスタ~」も凄い好きなので、曲順は違えど同じ楽曲を取り上げているので聴き比べてみるのも楽しそうです。

因みに当初の企画案だったものは後年「アフロキュビズム」というタイトルで正式リリースされました。興味のある方は聴いてみては如何でしょうか。


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