本日のオススメ ケント・ナガノ指揮、フランス国立管弦楽団 / エドガー・ヴァレーズ作品集(1920-1927)
あのジャズの巨人、チャーリー・パーカーがオーケストレーションを学びたいと跪いて弟子入りを懇願した作曲家、もしくは若き日のフランク・ザッパが愛聴していた前衛/現代音楽の先駆的作曲家、エドガー・ヴァレーズのアメリカに移住後の1920年代の作品を取り上げたアルバム。
アメリカの1920年代といえば「ローリング20’s」と呼ばれる建国以来、未曽有の経済的/文化的な豊かさを享受した最初の時代、しかしながらそんな狂乱の時代においてもヴァレーズの音楽は先進的過ぎたようで、「現代音楽の預言者」として脚光を浴びるのは最晩年になってから、そんな辛酸を舐めるような時代の作品は、例えばフルオーケストラのサイレンという「楽器」を取り入れた「アメリカ」、初演時に「ニューヨーク初の欧州並みのスキャンダル」と呼ばれた「ハイパープリズム」など、音響のダイナミズムを重視した作風はやはり時代を先取りしていたかもしれません。
前述のパーカー、ザッパだけでなく、ケージ、シュトックハウゼン、クセナキスなど20世紀後半のエクスペリメンタル・ミュージックの大家達に絶大な影響を与えた作曲家として、興味のある方聴いてみてはいかがでしょうか。
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